全然太っていないのに、「私は足が太い」だの「B君にデブって言われた」「私は運動量が足りない」などと難癖をつけて「ダイエットする!」とご飯を食べない小5の娘。
(その詳細は、太ってないのに「私太ってる」という娘-小学生のダイエットを考える-その①に書いています。)
いろいろ聞いてみると、どうやら娘も、本当に自分が太っていると思っているわけではないようなんです。
「デブ」と言われたことに傷ついたり、人より座高が高いんじゃないかと思ったり、自分より細い足の子をうらやましく思ったりする気持ちがモヤモヤと重なって、単純に「ダイエット」という言葉に結びついているだけのようです。
そんな多感な娘とダイエットについて話し合う前に、私自身の知識を整理しようと思いました。
小学生にはBMIではなくてローレル指数を使う!
「あんたは全然太ってない!」と私が言ったところで問題は解決しないと思ったので、客観的なデータを調べてみます。
大人になってからダイエットなどをする際にBMIという指数を計算したことがあると思うのですが、BMIを使うのは大人だけ。
学童期(小学生)の子供には『ローレル指数』という基準を使うんだそうです。
計算式は、
体重÷身長の3乗×10の7乗
なんのこっちゃですが、こちらのサイトで身長と体重を入力すれば、すぐに計算してくれました。
>>日本医師会ホームページ・キッズクラブ
この計算式で出てきた値によって、痩せているのか太っているのか判断します。
100より小さい | やせすぎ |
100-115 | やせている |
115-145 | 普通 |
145-160 | 太っている |
160より大きい | 太りすぎ |
お姉ちゃんの身長・体重は、現在145㎝・35㎏。
ローレル指数は【114】、つまりぎりぎり【やせている】に分類されました。
ほら!あなたの体型は、普通よりも「痩せている方」なのよ!
ここでお姉ちゃんを呼びつけて、この結果を見せつけてやりたくなりましたが、ここではまだまだグッと我慢。
母の情報をもう少し集めてみることにします。
小学生に必要なカロリーとは?
「炭水化物は食べない」「とんかつは食べない」と言う娘に、今の時期どれぐらいの量を食べないといけないのか、調べてみることにしました。
実際のところ、私自身も小学生の必要カロリーって知らなかったんですよね~。
参考にしたのはコチラの記事。
>>子どもの成長に合わせた食事の量
この記事によると、小学生の時期の必要摂取カロリーはこんな感じになっています。
身体活動レベルとは;
Ⅰ(低い):生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
Ⅱ(ふつう):座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客業、あるいは通勤、買物、家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
Ⅲ(高い):移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合
※通常の学校生活を送っている場合は、大部分が身体活動レベルⅡ、部活動などで強度の高い運動をしている場合は、身体活動レベルⅢとする
お姉ちゃんは、11歳で運動量は「Ⅱ・ふつう」だと思うんだけど…。
すると、必要摂取カロリーはナント2000kcal にもなった!
成人女性(つまり私)の必要摂取カロリーが1日2000kcalだから、私と同程度のカロリーが11歳の娘にも必要だってことなの!
たくさん食べて、大きくならないといけないって、ホントなのね。
あの細くて小さな体に私と同じだけのエネルギーを欲してるんだから、子供ってすごい。
ちなみにその2000kcalの理想的な内訳はこんな感じになるらしいです。
具体的に2000kcalって何をどれくらいか、という細かい計算はこの際さておいて、私と同じ必要摂取カロリーなんだから、つまり、母親である私と同じ量を食べるつもりで、生活したらいいってことだよね。
これって、「食べない」「食べない」と言っている娘には、ずいぶん説得力のある数字のような気がする。
娘は「私はあんまり運動しないから」と気にしていましたが、一応歩いて登校もするし、体育の授業もあるし、週に1度はテニスも習っています。ので、運動量「ふつう」として計算しました。
たくさん運動しているお子さんは、もっと必要摂取カロリーが増えるので、むしろお母さんよりたくさん食べなきゃ!ってことになります。
小学生って、結構たくさん食べなきゃいけないんですね~。
>>今回参考にさせてもらったサイト「Titian」は、『食』に関する総合質問サイト。管理栄養士など食のスペシャリストが素朴な疑問に答えてくれるサイトです。
子供の食事についても質問がたくさんあって、参考になりました。途中会員登録を求められますが、無料なので安心です。
「楽しく美味しい安全な食」のコンシェルジュ titian-ティティアン-
小学生にダイエットは必要か?私の意見
今回、娘の「食べない」発言を受けて、いろいろと小学生のダイエットについて考えてみましたが、調べた限り「小学生にダイエットは必要ない」というのが大方の意見のようで、私もそれに賛成できるなー、と思いました。
もちろん、食生活が極端に偏っていたり、はっきりとした肥満の傾向があるお子様には食生活の改善が必要になるのでしょうが
ただ、それもあくまでも「食生活の改善」なのであって、「ダイエット」ではない、というところが大切だと思うんです。
小学生の場合、極端に摂取カロリーを減らして体重をコントロールするのではなく、お菓子やジュースを控えたり、運動量を増やすなど、生活習慣として基本的なところを改善していくのが小学生の体重管理だと思います。
- お菓子やジュースをとり過ぎていないか。
- スポーツ飲料などを飲み過ぎていないか
- 就寝前に3時間に飲食していないか
- ダラダラと食べていないか
小学生のうちは、こういった基本的な生活習慣を見直す程度でよいのではないでしょうか。
筋肉は脂肪よりも重いので、筋肉質のがっちりとした体形のお子様は体重が見た目よりも重く出ることも多いです。
体重の数字ばかりにとらわれず、総合的にお子様が健康であれば、気にする必要はないのではないかしら。
でも、当の本人である子供たちは「総合的に」なんてとても無理。
少しでも体にコンプレックスを感じると、短絡的・直感的に「ダイエット」という言葉につながります。
我が家のお姉ちゃんのように、ダイエットなんかまったく必要ないのに、心の小さなモヤモヤが積み重なってなぜか「ダイエットしなきゃ!」と思い込んでいるケースや、テレビや雑誌に出ているキッズモデルさんの体型にあこがれてただ「痩せたい!」と思っている子供も多いようです。
こんな時は、「親業」の出番。
私が前記事「太ってないのに「私太ってる」という娘-小学生のダイエットを考える-その①」で試したように「受動的な聞き方」で子供たちの気持ちを聞き出したら、次は「私メッセージ」で親の考えを伝えてみます。
「受動的な聞き方」で子供の気持ちを聞くだけで、子供のストレスが軽くなって自分から「ダイエットなんか必要ないかも」と気が付いてくれることもあります。
「私メッセージ」で親の価値観を発信し続けること、親にはこれしかできないんじゃないかな、と私は考えています。
私も次は「私メッセージ」で子供に私の考えを伝えてみます。いつもこの瞬間って緊張するんですよね。
怒らず、押し付けず、対等に。
お姉ちゃん、ちゃんと聞いてくれるかなぁ。ちょっと頑張ってみようと思います。
>>親業とは、親子関係においての「会話の仕方」を中心に、学ぶコミュニケーションメソッドです。
前記事でもご紹介しましたが、親業の入門編はこちら。
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>>親業についての基本書。詳しく知りたいひとは、こちらをどうぞ
トマス ゴードン 大和書房 1998-10
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>>とくに10歳前後が難しくなる時期。これメッチャ参考になります。
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